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★その2 陣痛室から分娩室へ★

 


休息を取るいくえさん
陣痛の波の狭間で、休息をとるいくえさん。何も食べていないせいか、少しだけもらった水が、胃にしみます。

名付け本を見る
妻の苦痛を前に、あくまで冷静であろうとする夫のトオルさん。名付けの本を見て、赤ちゃんの名前を考えています。

『どう?』『うん』
お昼頃。トオルさんはちょっと席を立って、すぐに戻ってきました。「どう?」と聞く夫に「うん」と答える妻。

分娩室で
分娩室にて。陣痛はすでにピークに達し、これまで我慢していたいきみをはじめるいくえさん。「お臍のほうを見て、痛くないときはニヤニヤして。余分な力が抜けるよ!」と、小川先生。いくえさんの顔はいきみで、少しむくんでいます。
 
 

10月30日(月曜日)
お昼ごろ
★柿の実が熟して落ちるように

いくえさんの様子を見に来た小川先生が、こう言いました。「お産は、柿の実が熟してポトンと落ちるように赤ちゃんが産まれるのが理想だよ。渋いうちにとったり、無理して落としたらいけない。あとはカラスに気をつけてね」と。
トラブルを防ぎながら、最適のタイミングを待とう!小川先生の言葉に、いくえさんは何度も柿の実がポトンのイメージを描いています。どうやらこの時点で、帝王切開の可能性がかなり低くなったようです。

13時45分頃
★腰が熱くて、痛い!

陣痛が頻繁にくるようになりました。耐えきれずに悲鳴のような絞り出すような声が、いくえさんの口からもれてしまいます。
「おなかと一緒に腰が痛い!熱くて痛い」と夫のトオルさんに訴えるいくえさん。トオルさんはいくえさんの腰をさすり、とうとう握り拳をいくえさんの腰にギュウッとめりこませるようにして押しました。
終始冷静なトオルさんは、陣痛の合間にいくえさんに、言いました。「拳が跳ね返されるみたいな、すごい振動を感じるよ、僕の感覚変かな?」。いくえさんは、ちょっと笑いました。
そう、赤ちゃんはすごい力で出ようとしているのです。元気をとりもどしたのです。
16時頃
★陣痛促進剤でコントロール

腰をさすらなくていいときは、トオルさんは、いくえさんのそばで宿題だった赤ちゃんの名前を考えるために、名付けの本を読んでいます。「色々考えてるけど決まらないなあ。予定日がのびたからあわてなくていいと思っていたんだ」と。
やがて小川先生が、この時期に陣痛が弱くなっていることを説明し、いくえさんに陣痛促進剤のコントロールを開始しました。
いよいよ、柿の実が熟し、落ちようとしていました。それは、自然の力と、母子の苦痛を緩和させようとする人間の知恵の共同作業でした。
17時
★さあ、分娩室へ


夕方の5時。編集スタッフに「いよいよ始まります!」の声がかけられました。
分娩室に入ると、いくえさんはすでに拝臨の状態で、分娩台で大きく広げた足の間 からは、赤ちゃんの頭が見え隠れしていました。
そばについているトオルさん、やぱり冷静です。分娩室には、軽快な音楽が流れ、煌々としたライトとの中で主治医の小川先生、院長先生、助産婦さんの広政さん、看護婦さんが、おだやかな表情で、むしろ明るい笑みを浮かべながら、誕生を待っています。
 



 
 
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