カオルさん(31歳)
ニューヨーク在住。現在は在宅で翻訳とライターの仕事をしており、育児との両立で大忙し。夫のJoさんはアメリカ人で、仕事・家事・育児を全面的にサポートしてくれます。2001年11月15日にうまれたジョ・オーくんは只今やんちゃ盛り。既に日本語と英語を話すバイリンガルで、クルマと納豆が大好きな男の子です。
兄弟でパチリ
ベイビー、かーいー
チュウチュウ攻撃!
ほっぺツンツン
ママの服をかりちゃいました
一冴のバスタブをかりちゃいました
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★日記は、毎週月曜日に更新されます。どうぞお楽しみに!
3月12日(土)ボーイズだけの土曜日 |
午前中から、ひとりでマンハッタンのヘアサロンまで行く。家を出る前に搾乳。ジョーは、「ゆっくりしておいで〜」と行ってくれるが、すぐに帰ってくるぞ。とにかく、まだ体重も妊娠前ほどには戻っておらず(今のところ産後から8キロ弱減っただけ)、イマイチ緊張感のない毎日のせいか顔つきがぼんやりしてきた気がするので、せめてヘアスタイルだけも整えようと思ったわけなのだ。風は冷たいけれど、快晴で気持ちのいい今日。髪は少し短くして、その後日本のティールームでケーキなどを買って帰る。一冴は搾乳したおっぱいを2回飲んでいい子にしていたらしい。ジョーは、「Boysだけってのもなかなか悪くないよ。毎週末、こうやって気分転換に出かければいいよ」と言う。この、「Boysだけ」という表現がジョーは好きらしくよく使う。同性同士で仲間意識をもつ感じが楽しいのか、父親として息子達をしたがえる感じがいいのか。なんだかキュート。
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3月11日(金)社交家ジョ・オー |
珍しく朝から原稿書きの仕事を始め、お昼ちょっと過ぎには終わらせた。エライ。今日はいつもより早く帰宅できる金曜日なので、ジョーは仕事から帰るなりジョ・オーを公園に連れて行ってくれた。ここのところ、家にこもりっきりだったからねぇ。すまん、すまん。一冴と二人きりになると、家のなかはとっても静か。なんせ、一冴はものすごく静かなベビーなのである。せいぜい泣くのは、おなかが空いているのにおむつを替えられるときと、沐浴でお湯に浸かる瞬間くらいのもの。おっぱいが欲しい時には、「ふぇぇ…」とちょっと情けない声を出すだけだ。3時間ほど静かな時をふたりで過ごすと、あとのふたりのご帰宅。ジョ・オーは公園に行く前にマクドナルドのプレイルームで遊び、他の子供たちとかなりエキサイトして楽しんだらしい。他の子供と遊ぶ機会が極端に少ないジョ・オーなのでジョーがその社交性を心配していたのだが、なんのなんの。滑り台では他の子たちを「カモン、ベイビー!」と言いながら促していたそうである。あんたが一番ちっちゃいっつーの…。しかもその時のビデオを見せてもらうと、「アイム ジョ・オー」と自己紹介までしている。これなら、プリスクールに行ってもまったく大丈夫そうだわね。しっかし、ジョ・オーはあんなに叱られても怒鳴られてもお父さんが好きなんだなぁ。帰ってくると、跳びあがって喜んでいるし。「これはしつけだから」と毅然として叱っている風なジョーだが、内心はジョ・オーに嫌われていないか心配しているのだ。ははは。ジョ・オーは多分、ダディを“叱るとコワイけど遊ぶのには楽しい人”、ママを“甘えさせてくれてとっても優しい人”と区別してるんだと思う。そういう役割分担も悪くないかもね。
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3月10日(木)家族をつくるもの |
一冴がたくさんおっぱいを飲むようになった気がする。私が授乳のカンを取り戻すのと彼が上手におっぱいを飲めるようになるのに、大体1週間半かかった。ジョ・オーのときに苦戦していたのとはえらい違いだ。まだかなりミニミニサイズの一冴だが、夜の添い乳もできちゃう。一人目で経験があるって、ほんとに違いますね。さて、夜、子供たちを見つめながらジョーがこんなことを言った。「ジョ・オーと一冴とボクは血縁にあって、ジョ・オーと一冴とカオルは血縁にあるけど、ボクとカオルにはまったく血のつながりはないんだよね。だけど家族なのって面白いと思わない?」。そうか。当たり前と言えば当たり前のことだけど、家族って全員に血のつながりがあるわけじゃないんだよね。ジョーは続ける。「そうは言っても…たまたまその家にうまれてたまたま家族になるよりも(親と子供)、他人同士がお互いに家族となる人を自ら選んで家族になること(夫婦)の方が素敵なことのような気がするけどね」。夫婦は所詮赤の他人、というけれど…ジョーのことばを聞いて、そこに血縁より深いものを感じた夜であった。
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3月9日(水)寝顔だけでおなかいっぱい |
朝ジョーを送り出してから、ジョ・オーと一冴に両脇を囲まれてまた朝寝をした。二人の寝顔を見ながら、まったく子供って“愛さずにはいられない存在”だなぁ、と思う。で、ふとこんなことを思い出した。小さい頃、私は寝る前よく母に「カオルちゃんの何してるときの顔が一番カワイイ?」と訊いていた(なんちゅー質問だ)。うーん、と少し考えて母は言ったものだ。「寝ているときの顔かな」。笑ってる顔、という答えを期待していた私はひどくがっかりしたものである。目つぶってる顔じゃカワイイか分からないじゃない!というワケ。でも、親になった今ならその意味がよーく分かる。この寝顔を見るだけでも子供って産んだ価値があると思う。さらに大げさに言えば、自分が生きてきた価値があったなぁと思ってしまう。
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3月8日(火)子供に合った叱り方、とは |
夜、寝室の床を拭いていると、ジョーの「ジョ・オ〜〜〜!!」という雄叫びが聞こえた。驚いてリビングを覗くと、ジョ・オーが床に倒れている。涙をいっぱいにためて今にも泣きそうな顔。片手に持っていたパンも床の上だ。「ちょっと、叩いたの?」と私は怒り爆発寸前。聞けば、ジョ・オーがカーシートに寝せていた一冴の上に座ったのだという。一度座りそうになったので「座っちゃだめだからね」と注意したのにもかかわらず、ジョーの顔を見ながらそのまま再び座ったそうなんである。それで、一瞬にして駆け寄り“一冴を守るために”ジョ・オーを床に突き倒した、と。それにしたって、急いでジョ・オーを抱き上げたっていいじゃない、突き倒すことないじゃない、と私は抗議するが、そんなんじゃあの状況で間に合っていない、とジョーは言い返す。だったら、一冴がケガしてもいいの?死んじゃってもいいの?と。私は、「一冴をすぐにバシネットに移さなかった私のせいだよ」と言ったのだが、問題は、“ジョ・オーがこれは悪いことだと分かっていながらやっていること”だというのだ。彼の言い分としては、親に駄目だと言われたことはやっちゃいけないと2歳児に教えるためには、手をパシッと叩くくらいの“痛い目”に遭わせるか、大きい声を出して脅かすことが必要だという。果たしてそうなんだろうか。私はずっと、「我が家ではどんな理由があろうとも“声を荒げること、手をあげること”はぜったいナシね」と言ってきた。何事も、時間をかけて説明すればわかることだと思うからだ。でも…。いけないことをいけないと瞬時に教えるためには、時にはワイルドなやり方も必要なのだろうか。私は姉妹に育っているからか乱暴なやり方になれていない。だから、頭からそれに反対しているけれど、叱り方は子供によって変えなきゃいけないのかもしれない。叩かない親がいい親で、叩く親が悪い親とは言えないのかもしれない。我が家の子供たちに一番いい叱り方、教え方とは…うーむ。
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3月7日(月)夫の知らないこと |
今日びっくりしたこと…産後、4〜6週間出血している(悪露)ということをジョーが知らなかったこと。「え〜、じゃあジョ・オーを産んだ時にも知らなかったわけ?じゃあ、なんでここ1ヶ月ジョ・オーのお風呂をお願いしてたと思ってたの?」とわたし。ジョーは「そんな、特に理由は考えてなかったよぉ」と言う。この“知らなかったなんて信じられない!”シリーズは、結婚して2年経ったときにスーパーの駐車場でいきなりジョーに顔をまじまじと見つめられ、「カオルって眉描いてたの?ぜんぜん知らなかった」と言われて以来のことだ。普段は化粧をまったくしない私だけどね、外出するときは眉くらい整えますよ。そりゃあ、私の眉は描かなくたってしっかりしてますよ。だから、気付かなかったんでしょ。ちなみに彼は、私が化粧しているときとしてないときの区別も今だにあまりついていないらしい…。とにもかくにも、先週にはもう終わりそうに見えた悪露だが、今日になってまた赤くなって再開したようす。まだ子宮に残っているものがあるのか?
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編集部よりコメント
3月8日のカオルさんへ
子供の叱り方は、本当にその「家庭」ごと、またはその「人」ごとの考え方があって一概にどれがいいとは言えないもの。ずっと前に読んだ「ママはぽよぽよザウルスがお好き」というマンガで、1人目は怒らずに育ててきたけど、二人目の命を守るために怒るようになってしまった・・・というくだりがありました。みんなが悩みながら手探りしているんですね。
(So Da Tsu com編集部)
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