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ノルウェー 白夜とオーロラの国 (全4回更新)

Episode3 ノルウェーの子育て支援

~育児休暇は父親にも割り当てる~

充実した育児休暇

整った社会福祉制度で知られているノルウェーですが、出産・育児に関してもその例に漏れません。女性の多くが仕事に就いており、有給の出産・育児休暇が保障されています。

妊娠している女性は、予定日の3週間前から休暇に入ることが定められており、給与の80%にあたる手当を受け取りながら57週の休暇を取得するか、100%を受け取りながら47週の休暇を取得するか、どちらかを選べます。有給休暇が終わったら、無給の育児休暇を取得する人も少なくありません。

いろいろ選べる!休暇のパターン

父親が子どもと過ごす時間はとても多い。特に、キャンプなど屋外でのイベントでは父親が大活躍。

ノルウェーの育児休暇制度を語るうえで外せないのが「父親休暇」です。前述の育児休暇のうち、最低12週は父親に割り当てられ、これを母親が代わりに取得することはできません。つまり、母親の育児休暇は実質45週か35週以下になるということです。

休暇は父親、母親ともに、一度にまとめて取得する必要はなく、子どもが3歳になるまでの間なら、好きな時に好きな割合で、分散することができます。父親休暇の12週を例にとれば、12週連続取ってもいいし、半休を24週にわたって、毎週金曜日だけ、といった取り方も可能なのです。母親も、早めに職場に戻って、最初の数ヶ月は勤務時間を減らして働く、といったこともできます。当然、雇用主との合意が必要となりますが、ノルウェーでは日本に比べると働き方の融通はつけやすいように感じます。

父親が子どもと過ごす時間はとても多い。特に、キャンプなど屋外でのイベントでは父親が大活躍。

復職後も子育てしやすい環境

復職した後も、子どもがいると突然の発熱やケガなどで仕事を休まざるを得ないことがよくあります。ノルウェーでは、12歳以下の子どもを持つ労働者は、年間10日間の「子ども疾病休暇」が認められています。給与は100%支払われ、子どもが3人以上いる場合には15日に拡大されます。入院などで長期にわたる欠勤となった場合にも、長期有給休暇に切り替えられる仕組みがあります。

私の職場では、子どもが理由の遅刻・欠席・早退はやむを得ないこと、というのが暗黙の了解。通院や歯科検診などであれば、届けを出すこともなく職場を中抜けしても誰もとがめません。子どもを持つ同僚が多いため、お互い様というところもあります。子どもの通院などに父親が付き添う姿をよく見かけるのも、ノルウェーらしい光景かもしれません。

2013年3月22日更新

プロフィール

御供理恵(みともりえ)

1975年群馬県生まれ。夫の転勤に伴い、オランダ、ルーマニア、韓国と引っ越しを重ね、2010年7月よりノルウェー・アルタ在住。日本を含む5ヵ国での妊娠経験を持ち、長女・実奈(みな、2007年生まれ)を日本で出産し、長男・憲(けん、2009年生まれ)を韓国で出産した。現在、第三子妊娠中。

難民センターでソーシャルワーカーとして働きながら、北極圏からさまざまな情報を日本に向けて発信すべく、ライターとしても活動している。

ウェブサイト:Arctic Rainbow

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