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イギリス ロイヤルベビー誕生を控え出生率も上昇(全4回更新)

Episode4 育児支援でベビーブーム到来中

~働くママも、新米ママもサポート!!~

いろいろ選べる!託児メニュー

実はイギリスは今まさにベビーブームの真っ只中。ここ40年で最高の出生率を記録しています。私のように、イギリス人ではない女性の出産件数も全体の4分の1程度。海外からの移民の増加も、この出生率の高潮の理由の一つと見られています。さらに、働く女性に対して、国や地方自治体のサポートがしっかりとなされている点も、女性の選択肢を広げているように思います。

例えば産休を終え、女性が仕事に復帰する際には、様々なチャイルドケアを選択することができます。家にやってきて子どもの面倒を見てくれるベビーシッター、住み込みで子どものお世話をしてくれるナニー、数人の子どもたちを自宅に招き在宅保育をしてくれるチャイルドマインダー、それに保育園などがあります。

保育園の場合、週15時間までは無料。それ以上の時間、通わせたい場合は料金を支払いますが、チャイルドケアにかかるコストは、収入に応じて最大70%、税金から払い戻されるしくみになっています。

子どもに関わる仕事をする人は、すべて一連のコースを受け、過去に犯罪歴などが無いかしっかりと審査を受け、国や地方自治体に登録が必要となります。

子育て家庭を複合的に支援「シュア・スタート」

「シュア・スタート」とは、5歳までの子どもとその家庭を対象に、教育、福祉、保健など、国が複合的にサポートするプロジェクト。その一環として各地域にチルドレン・センターが設立され、ミッドワイフ(助産師)による健康診断から、ベイビーヨガやミュージックなどのクラス、子どもたちを遊ばせるプレイ・グループなどに場所を提供しています。新米のママにとっては、なにかと頼りになる存在です。

わたしも、子どもが3歳になって保育園に通い始めるまでは、毎日のようにプレイ・グループに出かけました。音楽の日、三輪車の日、クッキングの日などがあり、子どもたちは小さいながら、さまざまな新しい遊びに挑戦できますし、親はお茶を飲みながらおしゃべりをして過ごします。

「サツマイモをオレンジジュースで煮たら食べた! 」とか、ママ同士情報交換をするのも楽しい時間でした。ママと赤ちゃんが孤立して問題を抱えることの無いよう、地域と家族をつなぐ場所として機能しているチルドレン・センター。私自身、家族や昔からの友人がすぐそばにいるわけではない毎日の中、この場所でたくさんのママや専門家に出会えたことは、とても助けになりました。

さて、今年7月には英国王室の新婚カップル、ウィリアム&ケイトのロイヤルベビーが誕生予定。ゴシップ好きの英国国民は今から、ファッションアイコンのケイトがどんなマタニティ・ウェアを着るのか、バギーはどこのブランド?、子育て法は?ともちきりです。ベビーブームにいっそう拍車をかけそうなロイヤルベビーからも目が離せません。

2013年5月24日更新

プロフィール

平川さやか

フリーライター/フォトグラファー/メディアコーディネーター。

1979 年、北海道札幌市生まれ。横浜山下町、写真スタジオ勤務を経て、2004年独立。2005年より英国へ移住し、ファッション、カルチャー、インテリア、旅、キッズの分野を中心に、コーディネート、取材、撮影、執筆活動に携わる。テレビ番組の撮影コーディネーションや同行通訳も致します。現在、夫と息子(虎男・5歳)と、白黒の猫(ニコン・9歳)と共にロンドン在住。

取材・撮影は体力と根性で、インタビューには人なつっこさと笑顔で。誠実に人と向かい合う取材を心がけています。

ウェブサイト:www.sayakahirakawa.com

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