妊娠・育児大百科

妊娠月・子どもの月齢ごとに、知りたい情報をギュッと集約。発育発達、母体の変化、今やるべきことetc.わかりやすく解説!

子宮の大きさ/子宮底長約22~26cm(妊娠27週末)

大きくなった子宮が胃を圧迫しはじめます

妊娠した子宮の一番上の部分が子宮底です。妊娠7ヶ月になると、子宮底はおへその上まで届いて、おなか全体がかなり大きくなります。子宮底長(恥骨結合から子宮底までの長さ)は、妊娠27週には約22~26cmになっています。

大きくなった子宮は、内臓を圧迫しはじめます。子宮が胃を圧迫すると胸がつかえたような感じになって、1回に食べられる量が減るママもいます。でも、これはとても理にかなったことなので心配しないで! 妊娠7ヶ月の終わりごろから急に食欲が出てくるママも多いのですが、食欲のある割には胃がつかえて1回に食べられる量が減るおかげで、食べすぎを防ぐことができるわけです。「1回にたくさんは食べられない」という胃からのサインに素直に従うことが、太りすぎの予防につながるといえるでしょう。

仰向けに寝ると苦しいことも

からだの左側を下にして寝る「シムスの体位」が寝やすい。

おなかが大きくなると、妊娠前と同じ姿勢で眠ると、息苦しくなったり、眠りが浅くなることがあります。妊娠7~8ヶ月ごろには、心拍数がピークになるので、動悸がして熟睡しにくいというママも出てきます。仰向けに寝ると、低血圧になることもあります。これは仰臥位(ぎょうがい)低血圧症候群といって、大きくなった子宮が下大静脈を圧迫して、心臓に戻る血液の流れが滞るためです。

仰向け寝が苦しいと感じたら、姿勢を変えてみて。体の左側を下にして横向きに寝る「シムスの体位」が楽ですし、おなかやひざの下にクッションを当てると寝やすくなります。自分なりに一番眠りやすく楽な姿勢を工夫しましょう。

足がむくみやすくなったり、静脈瘤が出やすくなります(ふくらはぎや太もものつけ根の血管がふくらんで、青く浮き出て見えるのが静脈瘤)。むくみも静脈瘤も、大きくなった子宮が下大静脈を圧迫するのが主な原因です。

1日に数回、体の左側を下にして横になります。こうすると、おなかの後ろ側にある大きな血管(とくに腹部大静脈)への子宮の圧迫がとれて、むくみや静脈瘤の症状が軽くなります。1日の大半が立ち仕事という人は、意識して体を横にするようにしましょう。

おなかや乳房に妊娠線ができることも

おなかの皮膚に赤いミミズ腫れのような筋ができるのが、妊娠線です。乳房や太ももなどにできることもあります。妊娠線は、皮下脂肪が増えるのにともない、表面の皮膚が急に引き伸ばされてできた皮膚の断裂。一度できてしまった妊娠線は完全には消えないので、予防が大切です。急に皮下脂肪が増えたり、皮膚が乾燥するとできやすくなります。食べ過ぎて一気に太らないように注意します。また、保湿効果のあるクリームでていねいにマッサージして、皮膚をしっとりさせましょう。温めすぎは皮脂をおとして乾燥肌につながります。厚着や熱いお風呂に長く入るなどは控えましょう。

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