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Study + Senses

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*人間だけを変更しない人間中心主義は「鎮守の森」。

クリントンが「人間のクローンはいけない」と言ったでしょう。
それは、製材業者が、周りの山の木は全部伐った、
だけど村の鎮守の森の木は伐らないと言っているのと同じことでしょう。
人間の体という自然も、当然切られちゃうんですよ、これだけ切ってくれば。
それは当たり前じゃないですか。
人間の体だけは別だよ、というのは、人間が勝手に線を引いているだけのことであって、
具体的に考えていったら、動いてしまわざるを得ないんですよ。
人間が特別だ、というのは西洋の人間中心主義なんです。
キリスト教というのは、人と動物が違うっていうのを
非常にはっきり線をひくんです。
で、理性と良心を持つものは人であると規定する。
そこに非常に大きな穴があるんです。


*子どもに問題がおきるのは当たり前

僕は、十数年以上前から、「子どもに問題が起こる」と思ってました。
それは当たり前で、周りの自然をこれだけいじっていたら、
人のなかの典型的な自然である子どもに影響が出てこないはずがない。
それを寺田寅彦は「天災は忘れたころにやってくる」と言ったわけですけど、
自然をこれだけいじった結果が、最初は公害という形で出てきた、
そして体の問題。次に起こったのは、子どもでしょう。
僕が大学生くらいのとき
うちの小学校の敷地を削って市役所が建ったんです。
「ああ、子どものもの削って、大人のもの作るようになったなあ」とそのとき思った。
そのころ、子どもの遊び場がなくなるという話が頻繁に出ていた。
そして、その遊び場なんて話は、バブルが済んでから完全になくなりましたね。
土地は財産であって、子どもなんか関係ない。
僕らが子どものときは、誰のものでもない土地っていうのがたくさんあったんですよ。
そこでトンボ採ったり、セミ採ったり、川なんか入って遊んだりしてた。
そういう場所をぜんぶなくしたでしょう、
誰が子どものことを本気で考えてる? たとえば厚生省のような行政は?
みな、いっさい、手を抜いてきたんだから、おかしくなって当たり前、
簡単な答えです。

*子どもは、物と対話して成長していくのに。

世界っていうのは<いい>、<悪い>がまずあって、
それがまた、<人工>と<自然>に分かれる。だから「4象限」ある。
たとえば、先生に怒られた、これは人工の世界の悪いことですね。
親にほめられた、これが人工の世界のいいこと。
自然の世界も、お腹がすいた、寒い、というのが悪いことで、
外へでてセミとって面白い、気持ちがよかった、というのがいいこと。
世界は4つあったわけです。それが今半分しかない。
子どもっていうのは組織のなかでの人間関係なんてあんまり考えない。
まず物と対話していくのが、始まりですから。
セミとり、トンボとり、そんなところから始まるわけでしょう。
そこからだんだん人間、っていうややこしいものに来る。
それが、今の子どもは、いきなり人間ですからね。


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