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*母親に責任を負わせすぎたのは、日本の社会

そこまで調べて初めてピンとくるのは、母親に責任を負わせたのは
日本の社会だということです。
たとえば、乳飲み子残してお母さんが「同級生と温泉に行ってきます」と
1週間いなくなっちゃう、その間に子どもがはしかになって
お父さんがふうふう言って看病して、おじいちゃんおばあちゃんに相談に行って、
ということをすると、何を言われるかといえば、
「お前の嫁さん、どこ行ってんだ」ってことでしょう。
看病して会社休んでいたら、今度上役に呼びつけられて
「お前、なんで休んでるんだ」となるでしょう。
社会が母親に無限責任を負わせていることが、はっきりわかる。
たとえば犯罪を犯すと、犯人への呼びかけに母親が出るでしょう。
赤軍派のときもあったし、去年のバスジャックのときもあった。
共同体で子育てしてた、ということは、逆にいうと母親の責任を
まわりがそれだけ軽減してたということなんですよ。
同時に常識として、子どもが悪くなる、ならないには母親だけじゃない、
まわりに責任があるということを、ある程度自覚してたわけですね。



*子どもは母親の盲腸みたいなもの?

今、母親の方は基本的には自分の子どもは自分のもの、
よその人がそれに口を出すのは余計なお世話、という感覚ですね。
そこへ周りからも母親の責任が加重される。
両方とも同じ重みになって、同じ方向へかかってしまっている。
それはなぜかというと、日本の共同体では子どもというのは
母親の一部だとみなす考え方が昔からあるからです。
妊娠・中絶は、日本ではまったく問題にならない。
なぜかというと、それは母親が盲腸を切るのと同じで、
目に見えない部分ですから、母親の一部を母親が勝手に取り去る分には、
他人が何かいうことじゃないということなんですね。
そして、生まれてきて「お七夜」を迎える。
7日経って、初めて人になる。

*間引きは今も続いている!!

日本では世間の人でなければ、人ではない。
そして五体満足でなければ普通は人と見なさない。
だから間引きがある。今でも続いている。その証拠に
重症サリドマイド児の日本における死亡率は、厚生省統計で70%。
欧米における同じ診断基準の子どもの死亡率は、25%で、
日本は50%高い。しかも日本の幼児死亡率は世界最低です。
だから、五体満足でなければ世間ではいけない、という
暗黙のルールが徹底している。


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